児童文学の枠を越えて、いろいろな世代に大人気と話題なので文庫本を読んでみたが。感想…気持ち悪い。どういえばいいのか、とにかく気持ち悪かった。
単にさわやかな野球少年のジャンプ系物語に特科してたら、まだましだっただろう。
つたない1巻の文章から、飛躍的に上手くなった2巻で、文章力のつけかたはさすがだと思うが。
まず母親がとても良い母親してます、で天才ピッチャーで中学上がる前というのに身長170cm越える息子に恋してるような描写が。これ、現実でも旦那はATM、日々成長していく息子に入れ込む教育ママなご家庭多くありますが、
これを「ああわたしってなんていいママなのぉっ!」な作者本人な心情描写がきもい。で、BL要素があって、その筋の人達にも大人気って。
相手にされてませんよ、こんなあざといの。
『有精卵って雄と雌がエッチしたんだろ』
などと中1に言わせて、中学生の男の子の描写してるつもりになっているんですね。…気持ち悪いと。有精卵は食べると昔は危険だったけれど、今は養鶏士がすごく管理してる高い卵はとてもおいしいとか、それぐらい説明入れろやと。
こんな作品より、いっちゃったブラボー山田様のほうが努力してるし、あの動き相当描きまくって、真面目に動かしてますよ。
児童文学って、儲かるんだよね。図書館にどっさり入れてもらえるし、学校指定本になったり。そのくせハードカバーで1600円で売ったり、子供には買えないだろと。この児童文学の分野、あたるのはそこそこの学歴、教師経験があり、今の公教育現場を盲信して、全く批判しないこと。
教師と生徒の関係を大人と子供の関係、などと読み替えて、子供はこんな天使な考え方をしていて、大人は大人でできることをがんばっている、みたいないい話ばかり。
あのう、その熱血教師っての、校内暴力振るっているのに、主人公はさすが先生とか言っているし、天才をねたんで部活こつこつやってきた2年先輩達が主人公をリンチ、軟禁脅迫暴行するのですが、校長先生が
「みんな今まで県大会に向かって頑張ってきたのに、こんなつまらない事件で警察沙汰になるのはもったいない」などと説得して、
主人公も「俺もそんなの気にしてませんよ」と大団円になるわけで。
公教育はグレーゾーンで、ある程度学校自治が認められる治外法権なのはわかりますが、自動文学でここまで司法を無視するような事書いていいのかと。
いやもう別にかまわないのですが、これを愛知県県立高校入試問題で採用してるわけですよ。高校入試もセンター試験のように、全国統一試験にするべきかと思います。
作者も文庫本で再度出版にあたっての後書きがまた、不作法で、『この数年で、サカキ、911、~、~と大きな事件がありました、私も二人の息子を持つ母として、息子がこんな事件を起こすことはないだろう、と心配したりしました』と…まったく被害者や遺族に対しての思いなんてないんですよね。物書きだとこれらの事件はあまりに重すぎて、早々こう持ち出せるような単語ではないと思うのですが。
こんなに後味悪い作品は久々です。

と…書くわしも同じ穴のむじなじゃ。

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xx

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